「玄米を浸水なしで食べるとどうなる?」
「浸水なしで玄米を炊く方法は?」
「玄米は浸水なしだと毒があるって聞いたことがあるんだけど・・・」そんな疑問にお答えします。
目次
玄米を浸水なしで食べるとどうなる?
玄米を食べる場合には、浸水させて炊飯することが基本的な方法ですが、中には「浸水するのが面倒だから浸水なしで玄米を食べたい!」という方もいるのではないでしょうか。
しかし、玄米について調べていると「浸水なしでは毒素があって危険」ということを見かけることも多いです。そのような文章を見てしまうと「玄米を浸水なしで食べるとどうなるの?」と心配になってしまいますよね。
結論をいうと、玄米を浸水なしで食べても人体には悪影響はありません。
玄米を浸水なしで食べても人体に悪影響を与えることはないことは、「日本食品分析センター」や「食品安全委員会」からも認められています。安心して大丈夫です。
玄米を浸水なしで炊飯する「びっくり炊き」の方法
玄米を浸水なしで調理できる定番の炊飯方法として知られているのが「びっくり炊き」です。
「びっくり炊き」の方法は下記の通りとなります。
- 玄米をボウルに入れて濁りが出なくなるまで優しくこすり合わせる
- 洗い上がった玄米はザルでよく水気を切ってから鍋に入れる
- 鍋に玄米の1.5倍ほどの水と塩をひとつまみ入れる
- 鍋を強火にかけ、沸騰してきたら中火にして20分火にかける
- 鍋の中からパチパチと音がしたら新たに1.5倍の水を入れ④を繰り返す
- 最後に火を止めて20分間蒸らしたら炊き上がり
お鍋で白米を炊く方法とあまり変わりないですが、途中で水を加える点が大きく異なるでしっかりと抑えておきましょう。
玄米を浸水なしで食べると危険と言われる理由は?
玄米を浸水なしで食べると危険と言われるのには、下記の2つの成分が大きく関係しています。
- アブシジン酸
- フィチン酸
それぞれの成分について詳しくご紹介していきます。
1.アブシジン酸とは?
アブシジン酸は、玄米が外敵から身を守るために、発芽を抑制して栄養成分を閉じ込めるときに作用する「発芽抑制因子」のことを指します。
アブシジン酸は、私たちのエネルギー生成に必要なミトコンドリアを傷つけるとされているのです。
しかし、内閣府の食品安全委員会の報告によるとアブシジン酸を含む植物調節剤の安全性が確認されましたので過剰に心配する必要はありません。
2.フィチン酸とは?
フィチン酸とは、穀類や豆類に多く含まれるリン酸化合物です。
フィチン酸には「抗酸化作用」や「がん予防」にメリットがあると言われている一方で、キレート作用から「必須ミネラルの吸収を阻害する」と言われています。
しかし、食品薬品安全センターが行った研究では、フィチン酸が主な成分となっているコメヌカ酵素分解物の安全性が確認されました。
また、フィチン酸は小麦やそばなどの穀類にも含まれていますので、神経質になる必要はないでしょう。
そもそもなぜ玄米に浸水が必要とされているのか?
玄米を炊くときに浸水が必要とされている理由は下記の2つです。
- ふっくらと美味しく炊き上がる
- アブシジン酸とフィチン酸の毒素を消すことができる
それぞれの理由について簡単に紹介していきます。
1.ふっくらと美味しく炊き上がる
一般的に玄米は、浸水した方が甘みが増して食感も良くなるので美味しく炊き上がるとされています。
先ほどお伝えした「びっくり炊き」でも美味しく炊けないわけではないですが、より美味しく炊くにはしっかりと浸水させた方が良さそうです。
ふっくら炊くには6時間以上の浸水が必要とされていますが、浸水時間を時短したい場合はゆるま湯に浸水させると3時間ほどまで短縮することができますよ。
2.アブシジン酸とフィチン酸の毒素を消すことができる
先ほどお伝えしたように、玄米に含まれる毒素と言われれている「アブシジン酸」と「フィチン酸」は健康に悪影響はないことが証明されています。ただ、気になる方は玄米を浸水させることで「アブシジン酸」と「フィチン酸」の2つの成分の量を少なくすることができます。
毒素を消す場合の浸水時間の目安ですが、アブシジン酸は12時間以上浸水させると含有量が1/3以下になると言われていますので、12時間を目安に浸水させると良いでしょう。
玄米は浸水なしでも安全に食べることができる
この記事では、「玄米を浸水なしで食べるとどうなるのか?」について紹介していきました。
お伝えしたように、玄米を浸水なしで食べてもカラダに毒があるわけではありませんが一般的には浸水した方が美味しく炊き上がると言われています。
とはいえ、何時間も浸水させるのが面倒という方が多いのも事実ですので、浸水するのかしないのかはご自身の時間の余裕によって決めると良いでしょう。