料理に欠かせない「薄力粉」と「片栗粉」。
見た目が似ているからといって同じように使えるわけではありません。この記事では、薄力粉と片栗粉の違いや料理での使い分け、代用方法などを詳しく解説します。
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薄力粉と片栗粉の違いを一覧表で確認（原料・成分・特徴）
| 薄力粉 | 片栗粉 | |
|---|---|---|
| 原料 | 小麦 | じゃがいものデンプン |
| 主成分 | デンプンとタンパク質 | デンプン |
| カロリー （100gあたり） |
約368kcal | 約330kcal |
| 料理への影響 | グルテン形成により、弾力やモチモチとした食感を生み出す。揚げるとサクサクした食感になる。 | 加熱すると、とろみが出る。揚げると薄力粉よりもサクサクした食感になる。 |
| 代表的な使用例 | パン、パスタ、ケーキ、クッキー、マフィンなど | スープやソースのとろみ付け、揚げ物の衣など |
そもそも、薄力粉と片栗粉は原料が異なります。薄力粉は小麦を細かく挽いて作られたもので、片栗粉はじゃがいもをすりおろして水にさらし、沈殿したデンプンを乾燥させて作られたものです。
薄力粉にはデンプンのほかにタンパク質が含まれていますが、片栗粉はほとんどがデンプンで構成されています。カロリーは薄力粉のほうが若干高いです。
また薄力粉は風味があり、パンやケーキなどの主役としても使われます。一方、片栗粉は無味無臭です。食材や調味料の味を邪魔せず、スープなどのとろみ付けや揚げ物の衣などによく使われます。
カタクリ粉という名前の由来は、農林水産省によると「かたくり粉はカタクリの鱗茎（りんけい）からとれるでん粉のため「かたくり粉」とよばれます。」とあります。現在は、ジャガイモのでん粉から作られていますが、昔はカタクリの鱗茎から生成されており、その名残りで「片栗粉」となっているようです。
薄力粉と片栗粉の料理での使い分け
薄力粉と片栗粉は性質や特徴が違うため、料理での使い分けも重要です。
代表的な用途ごとに使い分けのポイントを紹介します。
揚げ物の衣
薄力粉を揚げ物の衣に使うと、外はカリッとした食感になり、冷えてくるとしっとりとします。色はきつね色になり、唐揚げやコロッケなどに向いています。
片栗粉を揚げ物の衣に使うと、サクサクと軽い食感になります。薄力粉よりもカリッとした食感が強いです。色は白っぽくなり、天ぷらや竜田揚げなどに向いています。
薄力粉と片栗粉を混ぜて使うこともできます。
とろみ
薄力粉でとろみをつける場合は、バターなどの油脂と一緒に炒めてから水や牛乳などの液体を加えて加熱します。これをホワイトソースと呼びます。ホワイトソースで作るとろみはさらっとしており、クリームシチューやグラタンなどに向いています。
片栗粉でとろみをつける場合は、水やだし汁などの液体に溶かしてから加熱しましょう。これを水溶き片栗粉と呼びます。
水溶き片栗粉で作るとろみはねっとりしており、あんかけやスープなどに向いています。
- 強力粉：強力粉はタンパク質含有量が最も高く、約12-14%です。タンパク質は水と混ざるとグルテンを形成し、これがパンやピザ生地などに弾力とモチモチ感を与えます。そのため、強力粉はパンやピザ、うどんなどの製造によく使用されます。
- 中力粉：中力粉はタンパク質含有量が強力粉と薄力粉の中間で、約9-11%です。そのため、パンやケーキなど、弾力としっとり感が求められる料理に適しています。
- 薄力粉：薄力粉はタンパク質含有量が最も低く、約7-9%です。これにより、薄力粉から作られた生地は軽くてやわらかいです。そのため、薄力粉はケーキやクッキー、パンケーキなどの製造によく使用されます。
薄力粉と片栗粉の代用方法
薄力粉と片栗粉は異なる特性を持つため、そのままの代用は難しいです。しかし、一部の料理や状況では、薄力粉を片栗粉の代わりに使用することもできます。
その際の代用方法は以下の通り。
- とろみをつける場合：薄力粉は片栗粉よりも粘り気が強いため、同じ量を使用すると過度にとろみがついてしまいます。そのため、片栗粉の半量の薄力粉を使用し、必要に応じて調整してください。
- 揚げ物の衣をつける場合：薄力粉は片栗粉よりも粘り気が強いため、衣が厚くなりすぎないように注意が必要です。適量の水を加えて薄め、衣の厚さを調整してください。
これらの方法はあくまで一部の料理や状況における代用方法であり、全ての料理や状況に適用できるわけではありません。
また、薄力粉と片栗粉は異なる特性を持つため、代用した結果、料理の食感や風味が変わる可能性も。そのため、可能であればレシピに指定されている粉を使用することがおすすめです。
薄力粉と片栗粉の違いまとめ
薄力粉と片栗粉は、どちらも調理に欠かせない食材です。
しかし、原料や成分、用途が異なるので使い分けが必要となります。パンや麺類などの生地には薄力粉、とろみづけには片栗粉、揚げ物の衣には片栗粉を使用するのが一般的です。
