スーパーに並ぶ色とりどりの野菜。どれも形が整っていてすばらしい見栄えですよね。でも野菜は元から綺麗なものばかりなのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
欠けていたり、曲がっている野菜も当然あります。でも、私たちが普段使っているスーパーには並んでいませんよね。その理由は、形の悪い野菜は売り物にならないということで廃棄されるからです。例え、それが形の完璧な野菜と全く同じ味だとしてもです。
日本で1年間に食べられるのに捨てられる食料品は、約643万トンと言われています。日本の食品廃棄物等は年間2,759万トンなので、約4分の1が「食品ロス(フードロス)」になっています。
もちろん、スーパーに並ばない形のいびつな野菜もこの中に含まれています。(年間約150万トン~200万トンほど廃棄されています。)そして、コロナウイルスの影響もあり、現在は例年以上の食品ロスが発生しています。
今回は、そんな深刻な問題である「食品ロス(フードロス)」について解説。この問題に取り組んでいる企業も紹介していきます。
不揃いな野菜の運命
農家の方がせっかく育てた野菜でも、見た目が悪いとスーパーには並びません。
なぜなら形の悪い野菜や、果物は売り物にならないということで廃棄されるからです。農家の方も、自分で食べられる量の物は食べるでしょうが、それにも限界があります。
突然ですが、「鉄腕ダッシュ」で、[0円食堂]というコーナーがあることをご存知ですか?
大好きな番組で、毎週欠かさず見ていますが、このコーナーは、農家の方や漁師の方が日々の仕事でどうしても出てくる、味は問題ないが市場には出せず廃棄してしまうものを回収して料理を作ります。
毎回形の悪かったり、少し傷がついた野菜をTOKIOが貰ってますが、こんなにも廃棄しなければいけないのかと、驚きます。
やはり、ほとんどの消費者は、見た目の悪い野菜や果物を積極的に買おうとしないのでしょうがないですが・・・。
今では、このような不揃いな野菜や果物を箱に入れて売り始めたスーパーマーケットなども増えて来ていますが、まだまだ見た目で判断して購買意欲が湧かない消費者が多いです。
廃棄するなら寄付すればいいのか?
「廃棄するくらいならば寄付すればいいのに」と思う人もいるかもしれません。しかし、生産者も廃棄することは苦渋の決断なのです。
なぜなら寄付することは、出荷すること以上に労力がかかるからです。
例えば、少し前に岡山県にある農業生産法人「エーアンドエス」の大量の玉ねぎを廃棄したとのニュースが話題になりました。その時の損失額は900万円以上(玉ねぎ180トン分)でした。それでも4トン分の玉ねぎを、子ども食堂や高齢者施設に寄付しました。しかし、全てを寄付するには、収穫・箱詰め・配送と相当な労力が必要になります。
つまり、廃棄以外の現実的な選択肢がありません。また大量に農作物を寄付すると、需要に影響を与えて市場価格が厳しくなる可能性もあります。
国としても様々な対策は講じていますが、民間の企業もこの問題に取り組んでいます。
企業の取り組み
ここからは、「食品ロス(フードロス)」の問題に正面から取り組んでいる2つの企業を紹介をします。
もし気になる人は、これらの企業が取り組んでいる取り組みを実際に使ってみて、「食品ロス(フードロス)」を減らす手助けをしてみてくださいね。
unica|ユニークな野菜や果物の新しいマーケット
unica(ウニカ)は、通常では販売が難しい野菜や果物を消費者に直接販売できる、オンラインのファーマーズマーケットです。
unicaのuniは、unique(ユニーク)からきています。不揃いな見た目の野菜や果物をユニークなものととらえて、新しい販路を作り出したサービスです。
生産者は、段ボール1箱から好きな価格で販売できるので、収穫量や収穫時期が不安定でも問題なく利用する事ができます。出品料金はかからず、売れた時に販売手数料と配達料金(着払いも選べます)のみの料金がかかります。
タダヤサイ|産地直送の野菜がタダでもらえる!
その名の通り、タダで野菜が手に入る「タダヤサイ」。生産者は、規格外の野菜を出品し、タダヤサイに会員登録している人は、抽選で当たれば無料で野菜を手に入れる事ができます。(ただし送料はかかります)
販売商品も数多く出品されています。無料の「おすそわけ」で広告効果を得て、販売商品として出品している野菜の売り上げを相乗的に上げている生産者も多いです。
まとめ
「食品ロス(フードロス)」は、一人一人が自分ごとにしなければ絶対に解決しません。
便利なサービスをしている企業も多くありますので、まずは身近なことからでもいいので始めていきましょう。