昆虫を食べることを想像できますか?
きっと嫌悪感を覚える人がほとんどでしょう。そんなほとんどの人が拒否感を持つであろう昆虫食ですが、もしかしたら10年後には当たり前になっているかもしれません。
その理由は、世界の人口増により食糧の供給が追いつかなくなるから。
そして、食糧危機の救世主として期待されているのが今回紹介する昆虫食です。
さっそく、実は食材として魅力的な昆虫について深掘りしていきましょう。
目次
昆虫食って気持ち悪い・・・?
写真を見てもらえれば分かる通り、昆虫食はなんと言っても見た目が・・・。
この見た目なので、食べ物として認識するにはハードルは高いですよね。しかし、そんなことも言っていられない時代がもしかすると来るかもしれません。
食糧(タンパク質)不足が深刻に・・・
全世界の人口増加を背景に、将来的に食肉などの畜産物の需要増加が見込まれています。
(世界人口推計2019年版 データブックレットより)
国連が発表した2020年の世界の人口は77億人ですが、2050年には98億人に増加すると予測されており、そうなれば食糧(タンパク質)が不足するとみられています。
そんな食糧危機の時代に新たなタンパク源として注目されているのが、昆虫食です。
なぜなら、昆虫食には見た目のデメリットを凌駕する食糧としてのメリットがあるからです。
実は、昆虫こそスーパーフード?
巷では、アサイーや、チアシードなどのスーパーフードが取り上げられていますよね。
実は、昆虫もそれらの食材に負けず劣らずのスーパーフードと言われているんです。
タンパク質 | 鉄分 | カルシウム | |
昆虫(コオロギ) | 69g | 9.5mg | 75.7mg |
牛 | 19.4g | 2mg | 12mg |
豚 | 17g | 0.9mg | 6.7mg |
鶏 | 19.5g | 0.9mg | 14mg |
(100gあたりの成分比較)
上記の成分比較表を見て分かる通り、昆虫は普段わたしたちが食べている牛・豚・鶏に比べても優れた栄養源なんです。
2013年にはFAO(国連食糧農業機関)が「食品及び飼料における昆虫類の役割に注目する報告書」を発表しています。
この報告書では、「従来の家畜や飼料源の代わりとして、昆虫食が地球環境と健康、そして生活に対して有益に貢献する」とし、「昆虫は高脂肪、高タンパク、ビタミン、食物繊維やミネラルに富んだ、高栄養かつ健康的な食糧源となる」と指摘している。
(昆虫食の時代が来る? 無印良品「コオロギせんべい」が大好評の背景より引用)
このように、昆虫は栄養源として高い評価を受けており、これから来るであろう食糧危機の救世主として位置付けることができるかもしれませんね。
コオロギなどの昆虫は、牛・豚・鶏に比べて地球環境への負担が極端に少ないです。温室ガスの排出量は牛の2,800分の1。農地は15分の1。飼料は6分の1。水は22,000分の1。持続可能な食糧としても注目を集めています。
日本・海外で伝統的な昆虫食
そもそも食糧危機がそこまで深刻ではない現代においても、意外に昆虫食は親しまれています。日本では、そこまで認知度がありませんが、世界を見渡せば昆虫食は当たり前で生活に根付いている地域も多いです。
日本の事例
イナゴの佃煮
日本において一番有名な昆虫食は、「イナゴの佃煮」ではないでしょうか。
バッタの仲間であるイナゴを、醤油、砂糖、水飴などで味付けして煮た料理。小エビのような食感で、見た目を気にしなければいたって普通の佃煮です。
主に、長野県や群馬県など海産物が少ない山間部を中心に多く食用とされています。
最近ミドリムシ(ユーグレナ)を使った食料品を見かけませんか?ミドリムシは、その名前から虫と勘違いされることがありますが、昆虫とはまったく異なりワカメや昆布などと同じ緑藻、「藻」の仲間です。
海外の事例
(TAKEO.TOKYOより画像引用)
コオロギは世界の国々で食べられています。アジアでも、タイ、ミャンマー、ベトナム、中国などではコオロギは当たり前のように食材の1つという認識を持たれています。
※世界の主な食用昆虫(FAOのデータを基に作成)
上記のグラフを見て頂くと、そのほかにもコガネムシ・イモムシ・ハチなどなどが食べられていることが分かります。
今はまだ、ゲテモノ扱いされている昆虫ですが、視野を少し広げてみると食材のひとつとして根付いているんですね。
昔探偵ナイトスクープでセミを食べる女みたいな回がありましたが、あれも日本だと考えられないですが、中国ではふつうなんですよね。
ただ生きたままライターで炙るのはインパクトありましたが・・・。
昆虫食はどこで食べれるの?
さて、ここまで昆虫食についていろいろと説明してきましたが、実際にどこで昆虫食を手に入れることができるんでしょうか?
最近では昆虫食は簡単に手に入るようになってきています。
いくつか紹介していきます。
昆虫食専門のECサイト|bugoom
驚くことに、昆虫食を専門にしているECサイトがあります。それがbugoomです。
bugoomは、ノンフライで塩のみの味付けなので、素材そのものの味わいが感じられます。豊富な商品ラインナップが魅力的で、「コオロギ」などの定番以外にも「カブトムシ」「アリの巣」「タランチュラ」などのなかなか手にいれることができない商品もあります。
興味がある人はぜひ一度のぞいてみてくださいね。
無印良品でも昆虫食が買えるように!
実は最近、日本の大手企業も昆虫食産業に乗り出してきています。無印良品は、徳島大学と連携して「フタホシコオロギ」をパウダー状にして練り込んだ「コオロギせんべい」を開発して発売しています。
これが香ばしく結構美味しいので、人気をよんでいます!いつでも手軽に買える昆虫食として注目です。
いつでも昆虫食を!昆虫食の自動販売機
驚くことに昆虫食を取り扱っている自動販売機が全国で増えています。
〔閲覧注意〕いま、注目されている昆虫自販機を見つけたよ…買う勇気は…なかったよ…orz pic.twitter.com/niWxAcquwU
— sumomo (@sumomoism) June 20, 2020
株式会社アールオーエヌという会社が運営しているようで、東京に5カ所ほど設置されているようです。
まとめ
今回は、遠くて近い昆虫食の話をしました。
今は、昆虫食なんて必要ない!と思っている人は多いかもしれないですが、将来的には食べることになるかもしれません。
また食糧危機で仕方なく食べる以外でも、昆虫食には大きな魅力があることが分かりました。今は、簡単に昆虫食が手に入るので、興味のある人は是非とも昆虫食を体験してみてくださいね。