かむ力が弱くなっても、甘いものやおやつの時間まで諦める必要はありません。いまは「かまなくてよい」区分のおやつが市販されており、ドラッグストアや通販で普通に買えます。
ただし、おやつは食事以上に選び方を間違えると危険が伴う分野でもあります。この記事では、先に注意すべきおやつを整理したうえで、市販で買える介護食おやつの種類と選び方をまとめました。
先に知っておきたい:高齢者に危険なおやつがある
はじめに安全の話をします。ここだけは読み飛ばさないでください。
消費者庁の分析によると、食べ物による窒息で亡くなる65歳以上の方は年間3,500人以上にのぼります。中でも餅による窒息死亡事故は半数近くが1月に集中しており、正月の餅は毎年注意喚起が出ています。
特に注意したいのは次のものです。
- 餅:粘りつき、のどに詰まりやすい。消費者庁が毎年注意喚起
- こんにゃくゼリー:業界団体が「お子様や高齢者の方は食べないでください」という警告表示を製品に記載している
- パン・カステラ類:一見やわらかいが、水分を吸ってのどに詰まる窒息事故が実際に多い
「やわらかそうに見える」と「飲み込みやすい」は別物です。詳しくは消費者庁の注意喚起も確認してください。
むせ込みが増えている、嚥下障害の診断を受けている、という場合は、おやつ選びを自己判断せず医師・言語聴覚士・管理栄養士に相談することをおすすめします。
市販で買える介護食おやつの種類

介護食として設計されたおやつは、大きく3タイプあります。いずれもパッケージにUDF区分(かむ力の目安)が表示されているものを選ぶと失敗しにくくなります。
ゼリータイプ
いちばん種類が多いのがゼリーです。ハウス食品グループの「やさしくラクケア」には果物のようなゼリーがあり、森永乳業クリニコの「エンジョイ小さなハイカロリーゼリー」のように栄養補給を兼ねる高カロリータイプもあります。
ゼリーの選び方は介護食ゼリーはどこで売ってる?で詳しく解説しています。
おもち風タイプ
「餅は危ないから」と諦めていた人向けに、餅の伸びと付着性を抑えた「餅風」のおやつが市販されています。
代表例がアサヒグループ食品の「バランス献立 スプーンで食べるおもち」です。UDF区分は「かまなくてよい」。国産もち米粉で餅らしい風味に仕上げつつ、伸びないのでスプーンですくって食べられます。レトルトパウチで開けてそのまま食べられ、白もちとよもぎの2種があります。
本物の餅の代わりにお正月に出す、という使い方ができるのがこのタイプの価値です。
プリン・ムースタイプ
デザート系では、なめらかなプリンやムース状の商品があります。ゼリーより濃厚な口当たりで、おやつとしての満足感を重視する人向けです。
普通の市販菓子から選ぶときの目安

介護食コーナーの商品だけでなく、一般のお菓子売り場にも使えるものはあります。目安は「なめらかで、水分が多く、口の中でまとまる」ものです。
- プリン・ババロア
- ヨーグルト
- ムース・ブラマンジェ
- 完熟バナナ(UDF区分1の食品例にも挙げられている)
- アイスクリーム(口の中で溶けて食べやすい一方、溶けるとサラサラの水分になるため、水やお茶でむせやすい人は注意)
逆に、一般菓子で注意したいのはおかき・せんべい類(硬い)、カステラ・パン類(詰まりやすい)、餅菓子(粘る)です。
同じ商品でも、体調やかむ力によって食べやすさは変わります。初めてのものは少量から、飲み物と一緒に、様子を見ながらが基本です。
食が細い人には「おやつ=栄養補給の機会」

食事の量が減ってきた人にとって、おやつは単なる楽しみではなく1日の栄養を補う3回目・4回目の機会になります。
この場合は、味だけでなく1個あたりのカロリーとたんぱく質で選びます。少量で150kcal前後を補える高カロリーゼリーなどは、まさにこの用途の商品です。詳しくは介護食ゼリーの記事にまとめています。
どこで買える?
介護食おやつの売り場は、お菓子コーナーではなくドラッグストアの介護用品・栄養補助食品の棚です。品揃えは店舗差が大きいため、種類を比べたい場合は通販が確実です。
売り場の探し方は介護食はどこで売ってる?で詳しく解説しています。
まとめ
- 餅・こんにゃくゼリー・パン類は高齢者の窒息事故が多い。やわらかそうに見えても要注意
- 市販の介護食おやつは「ゼリー」「おもち風」「プリン・ムース」の3タイプ
- 餅が好きな人には、伸びない「スプーンで食べるおもち」という選択肢がある
- 一般菓子から選ぶなら「なめらか・水分が多い・口の中でまとまる」が目安
- 食が細い人は、カロリー・たんぱく質表示を見て「栄養補給を兼ねるおやつ」を選ぶ


