介護食を買おうと思っても、いざスーパーへ行くとどの棚にあるのかわかりません。食品売り場を一周しても見つからず、そのまま帰ってきてしまったという声もよく聞かれます。
この記事では、介護食が売っている場所と、店内のどのあたりを探せばよいのかをまとめました。あわせて、買う前に必ず確認しておきたい「UDF区分」の見方も解説します。
介護食はどこに売ってる?

介護食を扱っている主な場所は次のとおりです。
- ドラッグストア
- 大型スーパー
- 調剤薬局・介護用品専門店
- ホームセンターの一部
- ネット通販
- 宅配専門サービス
このうち、もっとも見つけやすいのはドラッグストアです。順に見ていきます。
ドラッグストア
介護食を探すときの第一候補はドラッグストアです。レトルトの介護食や栄養補助食品を中心に、品揃えが比較的安定しています。
大手チェーンの中ではウエルシアが介護食の取り扱いに比較的力を入れており、公式オンラインストアでも介護食を購入できます。スギ薬局は実店舗での取り扱いに加え、宅食サービス「スギサポdeli」でも介護食を扱っています。
ただし、同じチェーンでも店舗の規模によって品揃えは大きく変わります。小型店では数点しか置いていないこともあるため、種類を比べたい場合は大型店を選ぶのが確実です。
大型スーパー
イオンなどの大手チェーンでは、介護食を取り扱っている店舗があります。プライベートブランドの介護食を展開しているスーパーもあります。
こちらもドラッグストアと同様、レトルト食品が中心です。大型店には介護食コーナーが設けられていることがある一方、中小規模の店舗では取り扱いがないことも珍しくありません。
調剤薬局・介護用品専門店
介護用品を扱う専門店や、介護施設に隣接した調剤薬局では、介護食の品揃えが充実していることがあります。とろみ調整食品など、一般の小売店では見つけにくい商品を置いている場合もあります。
種類は多いものの、店舗数そのものが限られるため、近所にあるかどうかで使い勝手が変わります。
ホームセンター
一部のホームセンターでは、介護用品コーナーの一角で介護食を扱っています。ただし取扱店舗は限られ、品揃えも数点程度にとどまることが多いようです。
ネット通販
種類の多さでは、ネット通販が群を抜いています。実店舗では数点しか選べない場合でも、通販なら区分別・メーカー別に比較しながら選べます。
まとめ買いによる単価の低下や、重い荷物を運ばなくてよい点も利点です。
宅配専門サービス
レトルトを都度買うのではなく、調理済みの食事が冷凍で届くサービスもあります。
やわらか食を専門に扱っているところでは、ウェルネスダイニングの「やわらか宅配食」のように、やわらかさを3段階から選べるタイプもあります。市販のレトルトのように毎回パッケージの区分を確認しなくてよいぶん、選ぶ手間は減ります。
ただし1食あたりの単価は市販品より高くなります。毎日の食事として続けるかどうかで判断が変わるところなので、詳しくは記事の後半で解説します。
介護食の売り場は「食品コーナー」ではないことが多い

店内で介護食が見つからない最大の理由がこれです。
介護食は食品でありながら、食品売り場ではなく介護用品の棚に置かれていることが多い商品です。大人用紙おむつ、介護用パッド、入浴補助用品などが並ぶコーナーの近くを探すと見つかります。
ドラッグストアの場合、次のあたりが目安になります。
- 大人用紙おむつの棚の上下
- 栄養補助食品(エンシュア、メイバランスなど)の並び
- 健康食品・介護用品の専用コーナー
食品売り場のレトルトコーナーを探しても見つからないのは、多くの場合この理由によるものです。
店舗によって配置は異なるため、見つからないときは店員に「介護食はどこですか」と尋ねるのが確実です。取り扱い自体がない店舗もあります。
買う前に必ず確認したい「UDF区分」

介護食を選ぶうえで、価格やメーカーよりも先に確認したいのがUDF区分です。
UDF(ユニバーサルデザインフード)は、日本介護食品協議会が定めた自主規格で、かむ力・飲み込む力の目安に応じて4段階に分けられています。パッケージにマークと区分が表示されています。
| 区分 | 名称 | かむ力の目安 | 食品の例 |
|---|---|---|---|
| 区分1 | 容易にかめる | かたいものや大きいものは食べづらい | 普通の米飯〜軟飯、焼き魚、目玉焼き、バナナ |
| 区分2 | 歯ぐきでつぶせる | ものによっては食べづらい | 軟飯、煮込みハンバーグ、煮魚、厚焼き卵 |
| 区分3 | 舌でつぶせる | 細かくてやわらかければ食べられる | 全粥、テリーヌ、はんぺん煮、リンゴ煮 |
| 区分4 | かまなくてよい | 固形物は小さくても食べづらい | ミキサーがゆ、ムース、レバーペースト、バナナピューレ |
規格上は、かたさの上限値も定められています。区分1が5×10⁵N/m²、区分2が5×10⁴N/m²、区分3がゾル1×10⁴・ゲル2×10⁴N/m²、区分4がゾル3×10³・ゲル5×10³N/m²です。区分3と区分4には粘度の下限値(1500mPa・s)も設定されています。
数値そのものを覚える必要はありませんが、区分がひとつ違うと、かたさの上限は数倍から10倍も変わるということは知っておくと役立ちます。「少しやわらかめ」のつもりで区分を1つ下げると、想定よりかなりやわらかい食感になることがあります。
区分表示のない商品には注意
「やわらか」「とろとろ」といった表現だけで、UDF区分の表示がない商品もあります。この場合、実際のかたさは食べてみるまでわかりません。
はじめて購入するときは、UDFマークと区分が明記された商品を選ぶほうが失敗が少なくなります。
なお、飲み込む力に不安がある場合や、医師・歯科医師・言語聴覚士から食事形態の指示が出ている場合は、必ずその指示に従ってください。この記事は市販品がどこで買えるかを扱うものであり、食事形態の判断を代わるものではありません。
市販の介護食で選べる主なメーカー
店頭・通販で見かける機会が多いのは、次の4シリーズです。
キユーピー「やさしい献立」
商品数が多く、区分1から区分4まで幅広く揃っているシリーズです。単品で購入しやすく、はじめて介護食を試す場合に選択肢を探しやすい点が特徴です。温めてスープとして使えるタイプもあります。
区分ごとの商品一覧はキユーピー「やさしい献立」公式サイトで確認できます。
アサヒグループ食品「バランス献立」
前身が和光堂であり、ベビーフードで培った製造の知見を活かしたシリーズです。だしにこだわった商品があるなど、味の設計に特徴があります。キユーピーと並んで商品数が多く、店頭でも比較的見つけやすいシリーズです。
商品情報は「バランス献立」公式ページにまとまっています。
マルハニチロ「メディケア食品」
在宅向けの介護食を展開しています。「舌でつぶせる」区分のムース食セットは、電子レンジで温めるだけで食べられる構成になっており、朝食・昼食・夕食それぞれに複数のメニューが用意されています。
かみやすさ別に商品を探せる「メディケア食品」公式サイトが用意されています。
ハウス食品「やさしくラクケア」
レトルトの介護食シリーズのひとつです。とろみ調整食品やデザート類も展開しています。現在はグループ会社のハウスギャバンがケアフード事業を担っており、商品一覧はハウスギャバンのケアフードページで確認できます。
商品数の多さで選ぶなら、キユーピー「やさしい献立」とアサヒ「バランス献立」から試すのが探しやすいでしょう。この2つは取扱店舗も比較的多く、店頭で実物を確認しやすいシリーズです。
確実に手に入れたいならネット通販

ここまで見てきたとおり、介護食は取り扱う店舗とそうでない店舗の差が大きい商品です。近所のドラッグストアに置いていない場合、店舗を何軒も回ることになりかねません。
種類を比べて選びたい場合や、決まった商品を切らさず用意しておきたい場合は、ネット通販のほうが確実です。
通販を使う利点は次のとおりです。
- 区分別・メーカー別に絞り込んで比較できる
- 店頭にない商品も選べる
- まとめ買いで1食あたりの単価を下げられる
- 重いレトルトを運ばなくてよい
一方で、届くまでに数日かかります。今日必要という場合は、店舗に電話で在庫を確認してから向かうほうが早いでしょう。
毎日の食事として続けるなら宅配サービスという選択肢

レトルトの介護食は手軽ですが、毎日3食すべてをまかなおうとすると、献立が単調になりやすく、栄養バランスの管理も負担になります。
調理済みの食事が冷凍で届く宅配サービスは、この部分を代わってくれる選択肢です。
やわらか食を専門に扱うサービスとしては、ウェルネスダイニングの「やわらか宅配食」があります。かつて「やわらかダイニング」という名称で提供されていたサービスで、現在はウェルネスダイニング株式会社が運営しています。
やわらかさは3段階に分かれています。
- ほどよくやわらか宅配食 — お箸で切れる程度のかたさ
- かなりやわらか宅配食 — お箸で簡単にほぐせる。とろみ付き
- ムースやわらか宅配食 — スプーンでつぶせる程度
いずれも冷凍で届き、電子レンジで3〜5分温めるだけで食べられます。2種類のやわらかさを組み合わせた比較セットも用意されているため、どの段階が合うか決めきれない場合は、比較セットから試す方法もあります。
価格は初回7食セットで税込5,508円からとなっており、1食あたりおよそ730円〜880円です。市販のレトルト介護食と比べると1食あたりの単価は高くなりますが、献立を考える手間と調理の時間がなくなる分をどう見るかで判断が分かれるところです。
なお、UDF区分との対応は公式サイト上では明記されていません。現在レトルトの介護食で特定の区分を使っている場合は、同じ感覚で段階を選べるとは限らない点に注意してください。
※価格・セット内容は2026年8月時点の情報です。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
介護食を買うときのポイントまとめ
最後に、この記事の要点を整理します。
売っている場所
- ドラッグストア(第一候補。ウエルシアは種類が多い)
- 大型スーパー(イオンなど。小規模店は取扱なしも多い)
- 調剤薬局・介護用品専門店(種類は多いが店舗数が限られる)
- ホームセンターの一部
- ネット通販(種類がもっとも多い)
- 宅配専門サービス(毎日の食事として続ける場合)
探す場所
- 食品売り場ではなく介護用品コーナーを探す
- 大人用紙おむつや栄養補助食品の棚の近くが目安
- 見つからないときは店員に尋ねる
選ぶときの基準
- 価格やメーカーより先にUDF区分を確認する
- 区分が1つ違うとかたさの基準は10倍前後変わる
- 区分表示のない商品は、実際のかたさがわからない
- 商品数で選ぶならキユーピー「やさしい献立」かアサヒ「バランス献立」
近所の店舗で見つからない場合や、種類を比べて選びたい場合は通販が確実です。毎日の食事として続けるなら、冷凍で届く宅配サービスも検討してみてください。



